「少林サッカー」「カンフー・ハッスル」などで人気のチャウ・シンチーによる「西遊記
はじまりのはじまり」の続編。今作ではシンチーが製作と脚本を担当し、「セブンソード」「ドラゴンゲート
空飛ぶ剣と幻の秘宝」など多数のヒット作を手がけるツイ・ハークが監督。天竺への旅を続ける三蔵法師の一行が、途中で立ち寄った比丘国(びくこく)で妖怪たちの逆襲にあう様を描いた。妖怪ハンターの三蔵法師は、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を従え、天竺に向かって貧乏旅を続けていた。何かと荒っぽい孫悟空のやり方に三蔵法師が怒り、孫悟空も理不尽な三蔵法師から逃げ出そうとするなど、ひと悶着がありながらも、一行は比丘国に到着する。比丘国の国王は思ったままに行動してしまう子どものような人物で、国王の機嫌を損ねた三蔵法師は孫悟空の力を借りるのだが、事態は余計に悪化してしまい……。
西遊記2 妖怪の逆襲評論(20)
何はともあれチャウシンチーなわけですから、あんまり深刻に息つめて見る映画じゃありません(いい意味で)。
笑いのパターンは日本人向けではなく、面白くないはずなのに笑ってしまう。
CGと吹き替えの声優陣は豪華。
あと最後のシメはやはりGメン75。
この作品の三蔵法師は私のイメージしている三蔵法師とは違い少し身勝手な印象だ。
コメディ要素が強いが、アクションはVFXと相まって見応えがある。
最後のおまけは好きだった。
今回シンチーはプロデュースと脚本だけで、監督は名匠ツイ・ハーク。
これもこれで贅沢な組み合わせ。
前作が“はじまりのはじまり”だったのに対し、今回は旅の最中。
妖怪退治をしながら、天竺への旅を続ける三蔵法師とその一行。
より皆が知ってる『西遊記』らしくなり、誰でもすんなり見れるようになったのでは。
旅は苦行と言うより、次から次へとトラブルばかり。
時には大道芸みたいな事をしながらの貧乏旅。
三蔵は病気に。
蜘蛛女の妖怪ら魔の手が襲い来る。
でも一番頭が痛いのは、悟空。
三蔵は荒っぽい悟空に手を焼き、悟空は三蔵の説教に嫌気。
関係は険悪。
やがて一行は、子供のような性格の国王が治める国へ辿り着く。そこで待ち受けていたのは…。
引き続きシンチー印のありえねー!アクションとベタベタな笑い。
はっきり言ってCGはアニメチック。
でも、そのチープで雑な感じが娯楽中国ファンタジーなんだな。
それでも堂々とたっぷりのCGを用いたクライマックスのバトルとスケールはなかなかの大作感。
笑いはもはやコントだ。
ドラマのメインは、三蔵と悟空。
何度も何度も衝突し、遂に仲違い。三蔵は悟空を破門し、悟空は敵意剥き出しに三蔵に迫る。
二人は、このまま…?
前作同様、ラストは切ない悲恋要素を織り込み、バランスも取る。
今回も楽しめるのは楽しめる。
が、どうしても残念でならない点が。
キャスト一新。
それにツイ・ハークも悪くないが、監督はシンチーじゃない。
これで続編と言えるのか…?
回想シーンで前作ヒロインのスー・チーは続投していただけに…。
どうせなら、金角・銀角、牛魔王、天竺まで見たい。
願わくば、シンチーが監督に復帰し、元のキャストで…。
でも一度変わったものが戻る事は無いかな…。