アニマル ぼくたちと動物のこと
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孤独の暗殺者 スナイパー評論(7)
前半「スナイパー」を温存したこと、そしてラストに余白を持たせたこと、このあたりでまぐれではないことははっきりする。
関係ないが、なぜか主役の役者が「メガネを掛けた布袋さん」とかぶって仕方なかった。
押しの弱い性格も相まって不遇の生活を送るヴァンサン。
予期せぬ事態が重なり八方塞となった彼の元に一人の男が訪れて或る依頼をする。
その依頼を受け入れた時からヴァンサンの人生が狂っていく。
ヴァンサンを中心に描かれる世界。
全編通して薄暗く、閉塞感が強く、酷く息苦しい。
彼の元に舞い込む厄介事は非常に理不尽で静かな怒りが満ちていく。
溜めに溜められた怒りが一つの形で帰着した時。
…起きている事態とは裏腹に一種の爽快感が。
しかし爽快感は長くは続く、踏み入れた闇に呑まれ堕ちていく姿に再び息苦しさを感じる。
思い返せば、終始息苦しさを感じる作品でした。
閉塞感が強く、酷く息苦しい本作。
薄暗く閉塞感が強い世界観は、映画「フォックスキャッチャー」を。
或る場面では映画「アメリカン・スナイパー」を彷彿。
決して派手ではないですが深く重く楽しめる作品だと思います。
オススメです。