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ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス評論(20)
予告で出ることがわかっていたワンダ・マキシモフ。
てっきり別バースにいくためのお助けキャラかと思いきやゴリゴリの敵で度肝を抜かれました。
子供に会いたいがためにあらゆるものを、それこそ別世界の自分すら踏み台にするワンダは日本の鬼子母神伝説を彷彿とさせましたね。
己の子供を溺愛する反面、他人の子供を喰らう鬼。
伝説では彼女を諭したのはお釈迦様ですが、本作でその役を担ったのが実際に子育てしている別世界のワンダなあたり、実に含蓄深いな、と。
正直ストレンジ2というよりスカーレット・ウィッチの変遷と収束に焦点が当てられすぎてて、カンバッチの活躍が見たかった自分としては少し物足りない。ので、星4つ。
でも要所の魔法シーンは恐ろしく洗練されててさすがMCUでした。バトルシーンも派手派手で、これぞ映画館で見たい映画でした。
そして…イルミナティ……!
漫画のイルミナティを知ってるのでもしや別世界のアイアンマンが…!?ウルトロンおるし!って思ったら全然違うメンバーでこれまた肩透かし。エグゼビア教授で声出たけどね。
ブラックボルト弱すぎワロタ。
三つ目になったストレンジが今後どんな活躍するのか。
楽しみに待ちます。
今回かなりホラー調、最後に監督サム・ライミってちらっと見えて、え?スパイダーマンのサム・ライミ?って思ったけど、あの監督ホラー得意な監督なの、知らんかった。追っかけてくるスカーレット・ウィッチ怖すぎだし、死体操っちゃうドクター・ストレンジも…(笑)。映画自体はジェットコースターのようなストーリー展開・映像とドキッとさせるホラー演出で2時間が短く感じられるくらい面白かった。ただ今後のMCU展開のうえでいくつか期待と不安が…。
期待したいポイントはまずファンタスティック・フォーやX-MENの合流。前々から噂されてたけどやっとか!って感じ、俳優さんも継続(?)みたいで大期待。なにげにプロフェッサーXとスカーレット・ウィッチの邂逅、結構重要な場面では?と思ったけどあっさりしてたな…。あっさりやられちゃったし、この時空のプロフェッサーXはそこまで重要じゃないのか?なんにせよ今後に期待。
困ったとこはやっぱりドラマ版との連動。スカーレット・ウィッチの設定が完全にドラマ版前提のストーリーなのは結構困るなあ。あらすじだけ知ってたのであとは脳内保管して見てたが…。今後はドラマ版見てる前提になるならますます初心者お断りだし、自分も流石についていけなくなる。せめて見ておくべきドラマ版を1~2個に絞ったうえであらかじめ見とくようアナウンスしてくれ。
マルチバースの設定も不安要素、正直扱いようによっては何でもありだよなあ。スパイダーマンで見せた違うシリーズ作品の夢の共演みたいなファンサービスな方向に使ってくれるならうれしいんだけど。イルミナティのヒーロー達はなんか元ネタがあるんだろうか?もうちょっとカッコ良く活躍したり既存ヒーローとの絡みを期待したけど、あっさりやられちゃって設定の無駄遣い感がががが。
マルチバース設定を悪い方向に妄想膨らますなら、倒したはずのサノスが別時空から登場とか、今回闇の魔術書(名前なんだっけ?)全部焼いたけど実は1個残ってました&スカーレット・ウィッチ復活とか、今後何でもありなので無限に話が終わらない不安をかかえたままシリーズを追っかけないといけない可能性が…。アメコミっぽいといえばぽいがどこまでファンがついていくやら。
そしてマルチバースの解釈については人それぞれだと思いますが、個人的にはあまり好きではないです。ノーウェイホームからマルチバースが顕著になりましたが、過去作を観てきた者にとっては胸熱な部分も確かにありました。でもやっぱりマルチバースというので、都合良く作り過ぎてる感じが自分には受け入れられ難く、他の人はどうお考えなのか知りたくなりました。
「スパイダーマン NWH」のオマケ映像(本作の予告)でドクター・ストレンジが「マルチバース」に詳しそうなワンダ(別名スカーレット・ウィッチ)に助けを求める、という展開が出ていました。
ただ、私は「なぜワンダなのか?」が正直ピンと来ていませんでした。
そこで「ひょっとして『ワンダヴィジョン』というワンダが主役のDisney+のオリジナルドラマが関係している?」という仮説を持っていました。
私はこれまでMCUを映画でしか追いかけていませんでしたが本作では幾つか「?」があったので、やはりワンダに関してはドラマの知識が前提となっていたようです。
そこで、未見の人用に「ワンダヴィジョン」の公式文章を抜粋引用すると【ワンダとヴィジョンは郊外で暮らしているが何かがおかしい。妊娠したワンダはあっという間に双子の男の子を出産。たちまち10歳に成長する】という事などがドラマで描かれています。
「映画」は「映画だけで完結している仕組み」にするのが理想と考えていましたが、本作で初めての変化が起きたのです。
とは言え、先ほどの抜粋を押さえておく程度でも世界観に入り込む事は可能なので、そこは割り切っていいのかもしれません。
さて、本作でメガホンをとったのは、ホラー映画と「スパイダーマン」3部作(02、04、07)で有名なサム・ライミ監督です。
得意とする撮り方があるのか、「スパイダーマン」3部作のようなアクションシーンや、ホラー映画のようなシーン等、端々にサム・ライミ監督を感じ、まさに「サム・ライミ映画」でした。
本作の評点は非常に難しいですが、「スパイダーマン NWH」の❝その後❞を描いているので、この2作を比べて考えます。
「マルチバース」の世界観は、「スパイダーマン NWH」では「完璧」と言っても過言ではない程にハマっていました。
ただ、「マルチバース」という禁断の扉は「何でもアリな世界」なので、本作で、その危うさのようなものを感じました。要は、如何に納得できる物語を構築できるのかによって作品の面白さが格段に変わってくるわけです。
ようやく「新たなアベンジャーズが始まっていきそうな作品」で、やや難易度は高いのかもしれませんが、見ておいて損はないと思います。
面白かったが脚本や撮り方に突っ込みどころが多かった
サムライミが世界的に評価されるが、無駄に顔のアップが多かったり、演出が古典的
それがあまり好みではないので多様され不安が当たり残念
ワンダヴィジョンで過ちを犯し、改心したはずのワンダの闇堕ちだけは避けてほしかったがそちらも的中
イルミナティのかませ感もちょっと醒めた 今後の広がりを見せる為の要因にしても、重要すぎる組織で扱いに納得がいかない
アース616のモルドはどこに行ったのか、アメリカは家族探しに行かないのか
なにより616のワンダが可哀そうで心が痛い